最寄りの参宮橋駅を通過して、明治神宮の北門から迷いの森へ入ります。
じゃり道に続く、ねじくれた松。
葉を落として針金のような枝を伸ばす木々に、せわしなく飛び回るカラスたち。

エサが来たぞ!
うっそうとした林につづく道はどこへ辿りつくのかわからず、
気がつけば、来た道も木々に隠れてしまっている。
聞こえてくるのはカラスの鳴き声のみ。
沈黙を破った木々たちが話しかけます。

「どこへ行きなさる?」

そっちへ行くのはやめなよ〜
ふいに聞こえてくる音楽。
私の他にも誰か、ニンゲンがいるのかも!
すでに「林に入るべからず」の札は彼女の目にはいらず、ふらふらと沼の方へ足を踏み入れ、そして二度と帰ってきませんでした。
おわり
明治神宮のお散歩コースは「森林浴♪」という雰囲気ではなく、
童話のなかで主人公が道に迷ったり魔女に会ったりするようなおそろしい森に似ています。
実際には道路も道しるべもあるので本気で迷うことはありませんが、行き交う人もめったになく、ちょっとした気分が味わえます。
隣接している代々木公園から聞こえてくる吹奏楽の音が聞こえてきたら、もうすぐ出口。
JR原宿駅に出ると、何事もなかったような人混みに、キツネに化かされたような不思議な感覚を覚えます。
※林に入ってはいけません!(フィクションです)






